ものみの塔協会は黙示録の緋色の野獣を「支持」していたのでしょうか?

Did the Watchtower Society "Support" the Scarlet Beast of Revelation?
http://www.geocities.com/wts_rides_the_beast/Awake112298.htm


国連からの手紙をご覧ください。ものみの塔協会が、神の敵である黙示録の緋色の野獣(1)と教えている組織と、約10年にわたって関係を持っていたことがご確認いただけます。)

「図書利用券」論法による弁明(2)で、ものみの塔協会は国連との関係の持つ重大性を矮小化しようと躍起になっています。協会によれば、国連との関わりは図書利用券を手に入れるだけのほんのわずかなものであり、政治とは無関係、(図書利用券の持ち主と同様に)ほとんどの証人が受け入れ、全く問題がないと見なすようなことだそうです。大部分のエホバの証人はこのことをすぐに忘れ去ってしまうでしょう。

またものみの塔協会は、国連との「提携の基準」が変わったのだという意味合いの主張をしています。協会は「少なくとも最新版では」と述べています。これは嘘だと言わざるを得ません。「野獣」に乗った1992年の時点(3)で、すでにその基準が彼らの主張と相容れないものだったことを協会は十分認識しているのです。しかし、いつもの巧妙な言い回しで、提携のための要求がつい最近(この時点で、ものみの塔協会は「直ちに登録を取り消した」)変更されたのだと信者を騙そうとしています。

第三に、私の知るエホバの証人のほとんどは、たとえ協会が国連憲章の理想を共有することに同意していたという事実を知っても、 ものみの塔協会と国連との提携を簡単に忘れてしまうでしょう。そして「神権的な戦い」(4)の一側面にすぎないと正当化することでしょう。

しかしものみの塔協会が「図書利用券」論法で無視しているのは、提携しているNGO(非政府組織)は、 国連の主義を会員に広め、その広報活動の実例と共に定期的に国連に報告する 必要があるという事実です。

DPI(国連広報局)-NGOの公式パンフレットからの引用をご覧ください。ここではDPIとNGOとの関係が定義されています(強調は筆者)(訳注:以下の翻訳に関しては、国際連合広報センター国連とNGO広報局とNGOの各項目から引用しました)

DPIとNGOは定期的に協力しています。
DPIと提携するNGOは、国連に関する情報をそのメンバーに広めることで、国連に関する知識とこれに対する支持を草のレベルで強化しています。
このような普及活動としては、以下のようなものがあります。 ・平和と安全保障、経済・社会開発、人権、人道問題、国際法などの問題に関する国連の全世界での活動を広く伝えること。 ・人類が直面する重要課題に世界の注意を集めるために、国連総会が制定した国連の記念行事と国際年を推進すること
・・・国連の活動を支援するとともに、国連の原則と活動に関する知識を向上させることを約束する・・・
・・・国連の活動に関する効果的な広報プログラムを運営する決意と手段を持っている・・・
・・・情報を広め、国連とその専門機関に対する支持に世論を動員すること・・・。DPIとの提携にはこのことに対するコミットメントを意味します。
提携NGOには、その広報プログラムの一部を国連の原則と活動に関する知識の向上に割り当てることが期待されています。
さらに、これらのNGOは、国連の活動に関連する広報資料のサンプルを定期的に提供することにより、広報局NGO課にその活動を常に知らせておくことになっています。

釈明の余地のないこの事実について、ものみの塔協会は何も語ることができません。図書利用券を「野獣」から入手することと、出版物を利用して野獣の政策を宣伝し、野獣への支持を確立するのは全く別のことです。これを弁明することなどできません!

たしか、ものみの塔協会の「統治体」は忠実で思慮深い奴隷であり、ものみの塔出版物は「時宜にかなった食物」(5)だったはずです。「時に応じた食物」が野獣だったとは誰が知っていたでしょう!

最も熱心な証人でさえ、神の「伝達経路」の一部を「野獣」に供することが「忠実」な行動(6)だ、などと見なすことはできないでしょう。どうやっても無理です。エホバの証人は「エホバは、全き専心を要求・・・される神である」(ナホム 1:2 新世界訳)ことを良く知っています。

さらに、1991年以来ものみの塔協会がその出版物に国連を宣伝する記事を掲載し、見本として国連に定期的に提出しなければならなかったという事実は、協会は提携の必要条件が何たるかを十分理解していたことを明白に示しています。知らなかったとの主張は崩れ、彼らが嘘つきであることを証明しています。

ものみの塔協会が「緋色の野獣」の「伝達経路」としての責務を果たしている証拠がこれです(訳注:以下のリンク先の画像につきましては、新里太郎氏ご提供のものを利用させていただいています)

ものみの塔協会が確かに国連に協力していたこと、国連に協会の活動の最新情報を提供していたこと、そして「野獣」を支持するために協会の活動の資料のサンプルを提供していたことが真実であることを確かめるために、国連人権高等弁務官事務局のウェブサイトのこのページをよくご覧ください。そしてリストの2番目の項目に注目してください(リンクが削除あるいは変更されている場合は、ここをクリックしてオリジナルページのスクリーンショットをご覧ください)。

これは明々白々な事実です。ものみの塔聖書冊子協会は自身が啓示の書の「緋色の野獣」、ダニエル書の「嫌悪すべきもの」、神の敵(7)と教えている組織に、自ら進んで提携を申し込み、正式に関係を結んだのです。これにより協会は「野獣」を支持することのみならず、野獣への支持を築き上げることに同意したのです。

協会は自らの出版物−協会が神の伝達経路と公言しているもの−を野獣のための伝達経路として使用することを確約し、明らかにこの約束を果たしてきました。協会は「国連に対する支持に世論を動員すること」に努めていることの実例を提出することで、野獣に報告することさえしてきました。

これらは主の「忠実で思慮深い」奴隷の行動だろうか、という論点を巧みに避けて実行されているのです。

脚 注

  1. ものみの塔の教義での国連に対する典型的な考えについては、ここをクリックしてください(日本語はこちら)

  2. ものみの塔協会が各支部に送った手紙をご覧になるにはここをクリックしてください(日本語はこちら)。この中で協会は国連との関係を正当化しようと試みています。(3つ目の文にも注目してください。ここで協会はこの手紙が「私たちが以前にしてきたあらゆる回答に置き換わるもの」と述べています。そうなると次のような疑問が生じます。もし協会があらゆる点で誠実であるならば、なぜ以前に協会によって提出されてきたあらゆる回答がこの回答と一致しないのでしょうか。)

  3. 1992年の報道発表は、公式に登録された非政府組織として国連と提携するための基準と義務がその時点で明確に規定されており、「最新版」と同等のものだったことを示しています。注意:「国連の計画と目標への理解と支持を確立する」「国連憲章を支持する」。さらに、1968年5月23日の国連決議1296(XLIV)には、「・・・国連の活動を支援するとともに、国連の原則と活動に関する知識を向上させることを約束する・・・」と明言しています。(訳注:国際連合広報センター 「Q. NGOとDPIの協力はいつから始まったのですか。」より)

  4. ものみの塔協会は時として嘘が許されると証人に教えています。「敵」や真理を知る「立場にない」人に対しては、証人たちは「真実を隠すことによって敵を欺く」よう教えられています。注意:

    キリストの兵士の一人として彼は神権的な戦いに参加しており、神の敵と対するときにはさらなる注意が必要となります。このように神の重要な目的を守るためには、神の敵から真理を隠すことは適切なことだと聖書は述べています。『ものみの塔』1960年6月1日号、352ページ
    ですから霊的戦争においては、真実を隠すことで敵を欺くのは適切なことです。『ものみの塔』1957年5月1日号、285-286ページ
    伝道活動の妨害に利用されかねない情報を敵に漏らさぬよう、いかなる時も細心の注意を払わなければなりません。『ものみの塔』1957年5月1日号、285-286ページ
    悪意ある偽りは聖書では明確に非とされていますが、だからといって、知る権利のない人たちに真実の情報を明らかにしなければならないわけではありません。『聖書理解の助け』1971年版、1061ページ
  5. ものみの塔協会指導者は、マタイ24章45節の「忠実で思慮深い奴隷」であると称しています。ものみの塔協会の出版物は霊的な「時宜にかなった食物」と呼ばれています。

  6. ものみの塔協会は神の「伝達経路」であり、そこを離れると救いを得られないと主張しています。

    第三の要求は、神の経路すなわち神の組織と交わることです。・・・地上の楽園で永遠の命を受けるには、その組織を見分け、その組織の一員として神に仕えなければなりません。『ものみの塔』1983年2月15日号、12ページ
    神が用いておられるこの伝達の経路と連絡を保たなければ、どれほど多く聖書を読むとしても、わたしたちは命に至る道を進むことはできません。『ものみの塔』1982年3月1日号、27ページ
  7. ものみの塔協会が自ら進んで国連と提携したことは、個々の信者が「神から是認されていない」組織と自発的に関係を持った場合のものみの塔の方針と照らし合わせるとより興味深いものとなります。注意:

    また、聖書と相反する目的を持つゆえにエホバ神の裁きの下にある組織の一員となるなどの行為によって、クリスチャン会衆内の自分の立場を放棄する人もいます。(啓示 19:17-21; イザヤ 2:4と比較してください。)ですからクリスチャンであった人が、神から是認されていない人々に加わることを選ぶなら、会衆は、その人が自ら交わりを絶ち、もはやエホバの証人ではないことを簡単に発表し、そのことを認めるとよいでしょう。『ものみの塔』1981年11月15日号、22、23ページ

  1. Stephen Bates, 「「偽善者」エホバの証人、国連との秘密の関係を絶つ」『ガーディアン』2001年10月15日号
  2. 国連スキャンダルへの英国支部広報担当の公式回答
  3. 2001年11月1日付「国連との関係についてのものみの塔協会の公式説明」
  4. 「ものみの塔協会は黙示録の緋色の野獣を「支持」していたのでしょうか?」
  5. 国連人権高等弁務官事務局 (UNHCHR) 公式サイト
  6. 国連広報局NGO課によるものみの塔協会との提携関係に対する公式回答

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