「ものみの塔」の子供たち-2by David L. Harvey:原文(英語)
これに加えて春と秋には巡回大会、夏には地域大会がある。9日から12日を費やして「エホバとその組織に仕える」よう鼓舞、激励される。

子供たちは学校が休みになると、月60時間を野外奉仕に費やす「補助開拓者」になるよう勧められる。これに学校の宿題や集会の準備等のすべての活動が加わり、全くゆとりがない。「神の王国」より「世」のことに関心を持つことには罪悪感を抱かされる。(「あなたが「王国」のこと以外に時間を浪費することをエホバはどうお思いになるだろうか?」)子供たちは世間に対する不自然な恐怖心を植え付けられる。ものみの塔以外はすべてサタンの組織に属している。エホバの証人だけが神のご意志にかなう「神の民」であり、神の望んでおられるやり方で神を崇拝している。エホバの証人だけがハルマゲドンを生き残ることができる、つまり神の組織だけが安全な場所である。子供たちは非常に幼いうちからハルマゲドンで滅ぼされる恐怖、組織の期待に応えることができないことへの罪悪感、排斥されみんなの前で恥ずかしい思いをすることへの恐れをたたき込まれている。

学校でのクラブ活動や課外活動に参加しないよう勧められ、国旗掲揚、国歌斉唱は禁じられている(国旗が掲げられ、国歌が演奏されても着席していなければならない)。誕生日や祝祭日を祝うこともない。エホバの証人以外との交流は勧められておらず、時に禁じられる(「エホバはあなたの友達のことをどう見ておられるだろうか?知ってるだろう、悪い交わりは有益な習慣を損なうんだよ」)。

現在の組織の見解に従い、エホバの証人はたとえ命を落とす危険があってもある種の医療処置を拒否する。臓器移植やいくつかのワクチンは50年代初頭までは禁じられていた。組織は1980年に臓器移植を受け入れる決定を下したが、全血、部分血輸血は(血友病患者を除いて!)禁止されている。親は組織の指示に従うよう求められており、幾度となく変更される「神の規則」に従うために、子供に輸血を施すようにという裁判所の命令を妨害あるいは無視することも珍しくない。

以前は大学進学をあきらめるように仕向けられていたが、ものみの塔協会は態度を軟化させている。しかし知的職業を目指すより職業学校を強く勧めている。理想とされるのは「全時間開拓者」になることであり、兵役、行政職につくこと、警察官になること(選挙でさえも)は禁じられている。

これらすべての積み重ねが最終的に強力なマインドコントロールとなり、完全に操られるようになる。罪悪感、不安感、恥辱、そして恐れを頻繁に感じさせられることで、子供たちは組織の言いなりになって働くよう追い込まれていく。子どもは親に愛されたい、認められたいと望んでいて、ただ自分に目を向けてほしいという気持ちから従うこともよくある。組織で「良い地位」にある時だけ愛や友情を得ることができる。期待通りの行動をとることができなかったり、拒否したりすれば(親、兄弟、個人的な友達からのものでさえ)愛や友情は消え失せる。長老たちは霊的に弱いあるいは病んでいる人を「エホバのやり方」で「精神的に立て直す」努力をする。自分から離れたり排斥されたりすると、即座に愛、友情、つきあいがなくなり隔絶される。話しかける人はおらず、死んだものとされ、激しく嫌悪される。このような非人間的な扱いへの恐怖は、「忠誠」を保たせるに十分なものである。しかし時にそれが十分でないこともある。

エホバの証人として育てられた人々からの手紙の量や、ものみの塔内での自殺や精神病の定期的な報告は責任の大半がものみの塔の指導部にあることを物語っている。

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