断絶届を書く    by Timothy Campbell

(2002年4月22日掲載・2003年6月27日改訂)

はじめに

エホバの証人を辞める決心がついた場合、断絶届を書くことで「公式に」辞めたいという気持ちになる場合もあることでしょう。これは、もはや自分をエホバの証人と呼んでもらいたくないと思った、数え切れない人々が使った形式的手続きです。

メリットとデメリット

断絶届を書くかどうかはあなたしだいですが、断絶届を書くことにどのような利害得失があるかについて、ざっとご紹介します。

メリット

デメリット

上に挙げたもの以外にも、おそらく色々なメリットとデメリットが考えられることでしょう。ひとつの宗教から離れることは、軽々に決心できることではありません。どのように離れるか決めるのも、簡単なことではありません。

断絶届を書くまで

色々な選択肢を検討した上で、断絶届を書くことに決めた場合、一例として次のようなステップが考えられます。

  1. 数日間メモ用紙を持ち歩き、エホバの証人のここが嫌だという点を思い出すたびに書き留める。書き留めたものはあとで見直す。

  2. その間に、特に自分が好意をもっているエホバの証人たちの住所を知っておく。その人たちには、自分の友人のリストにそれぞれの住所を書いておきたいから(これはいつでもよいアイデアだ)と言うとよい。同時に、正確な電話番号も確認してリストに入れておく(このようなリストを作る理由はこの先を読んでもらえばわかる)。

  3. 一週間後、メモを書き終わったところで、元エホバの証人が利用できる資料(ウェブサイト記事)と、自分のメモとを比べ、見落としがないかどうかを見てみるとよい。自分にとって重要な項目を書き出し、それぞれに該当する参照資料をメモする。ただし、言葉遣いは資料そのままでないほうがよい。これはあなたの手紙なのだから、すべて自分の言葉で書いたほうが気持ちの上でもいいはずだ。

  4. 自分のメモを論理的に秩序立てて校正する。アウトラインのサンプルをあげておく。

    • 公式の断絶宣言。

    • 自分が証人になった経緯の簡潔な説明と、証人に対する肯定的印象―何かしらあったはずだ!

    • 断絶せざるを得なくなった「重要な問題点」についての議論。この部分は、関連する主題ごとにまとめることもできる。例えば「教義上の問題」「個人的問題」「社会的問題」「組織的問題」など。

    • 要求したい項目をリストにしてはっきり書く(例:「牧羊訪問をしないでほしい」「子どもたちに対する牧羊をしないでほしい」など)。特に要求したいことがなければ、この部分は書かなくてもかまわない。

    • 結び(例:人生の意味を見つけたいという皆さんの探求が報われますように、この決定はもっと広い視野で真理を探究するためにしたことです、など)。

  5. この時点で断絶届の文面をよく見直す。過度に感情的な部分はすべて取り除くほうがよい(例:相手が悪魔の落とし子だとほのめかしてけなす、など)。自分が被った個人的な苦痛をなおざりにする必要はないが、憎悪に満ちた書き方をすれば、あなたが自分の決定に確信が持てないのだとか、理性的に下した決定ではないのだと、相手に思わせてしまう。届けの文面は徹底して批判的に読まれることを覚悟しておく必要がある。明快さが大切だ。

  6. 可能ならば、中立的な第三者(友人、親類、同僚など)に読んで意見を言ってもらう。

  7. あなたの断絶届を長老が会衆に見せる可能性はまずないので、長老あてに送る前日に、コピーを取って、エホバの証人の友人たちに郵送する。その際、自分の人生に関わる重要な決意について知らせたいのだ、という手紙を一緒に入れておく。また、特定の特別な友人にだけコピーを送っているのであり、送り先のリストはあなたしか知らないということも言い添える(これによって、断絶届のコピーを受け取った人たちは、それを読んだために審理委員会に呼ばれることはないと安心できる)。

  8. 長老に断絶届を送る。送りたければ、コピーをものみの塔協会に送っても良い。返事がこないことはまず確実だが、このような届けはファイルされて保存されていると信じられる根拠がある。

  9. 長老があなたを「援助」するために接触してきたら、断絶届に書いた特定の問題点について話したいと言明する。もし、実際に長老が訪問してきた場合、長老は、特定の問題を云々するより、むしろ組織や、組織の約束に対するあなたの熱意をかきたてようとするだろう(これはものみの塔協会特有の反応というわけではない。このような場合、ほとんどの人は、特定の問題を論じることができなければ、難しい問題を避けて、一般論で語ろうとする)。

以上のステップはあくまで一案です。この記事の筆者として、私自身は断絶届を書かなかったことを申し上げておくべきであろうと思います。しかし、他の人が書く手伝いは何度かしてきました。

私の場合は、断絶届が必要だとは感じませんでした。誰にも気づかれずに「自然消滅」したからです。あなたの場合は違うかもしれません。

大切なことは、今、あなたが自分の決定をしようとしているということです。組織があなたにするべきことを指図できるのは、それが正しいことだとあなたが信じている場合だけです。そして、明らかにあなたは、組織流の真理抜きで生きていけると決心したのです。


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